最終面接で営業に!?——流されて入社した会社で気づいた“自分の限界”と違和感
「営業事務で応募したはずなのに」——転職先で待っていた想定外の展開
転職活動を進め、新しい環境で再スタートを切ろうと決意した私。これまでの経験を生かしながら、もっと働きやすい場所へ行きたい。そう思って応募したのは、営業事務のポジションでした。
書類選考、一次面接と順調に進み、いよいよ最終面接。当日、緊張しながらも手応えはありました。
「ここで働くのも悪くないかもしれない」そんな期待が少し膨らんでいたのですが、まさかそこで人生の舵が勝手に切られるとは思ってもいませんでした。
■ 最終面接での「応募要項変更」という衝撃
いよいよ最終面接。
ここまで順調に選考が進んでいた私は、ほっと胸を撫で下ろしていました。しかしそこで突然、社長から放たれた一言。
「君、笑顔がすごくいいね。事務じゃなくて、営業で入らない?」
・・・え?営業?
いやいや、応募したのは営業事務なんですけど!?
心の中では全力でツッコミの嵐ですが、実際に口から出てきたのは——
「ほ、本当ですか〜・・・?」
……出たよ、私のいつものやつ。反論できないやつ。
本当なら「いやいや、営業事務で応募しましたよね?」と聞くべきなのに、言葉が喉に引っかかったまま出てきませんでした。
その後の社長の熱弁はさらに続きました。
「この会社で初めての女性営業として活躍してほしい。
ゆくゆくは、後から入ってくる女性社員のロールモデルになってほしい。」
そこまで言われてしまうと、断りづらくなる。期待されている“風”の言葉に、私は弱い。
そして追い打ちのような本音がさらっと投げ込まれました。
「実はね、営業事務はもう手が足りてるんだよ。本当は営業が欲しかったんだ。」
え、それ最初に言うべきことじゃない?
後出しじゃんけんにもほどがあるでしょ、と思いながらも、私はやっぱりその場で何も言えずにいた。
これについては、本当に深い理由があるのだけど、それはまた別の記事で書こうと思う。
結果として私は、流されて、営業として入社することを決めました。
もしあのとき、
「話が違うのでは」と言えていたら。
「入社を考え直します」と言えていたら。
人生の分岐点は、いつもこんなさりげない瞬間にあるのかもしれません。
■ 入社後、すぐ始まった現実…「私はダメなの?」の日々
晴れて入社し、研修期間を終え、いよいよ営業デビュー。
……したものの。
現実は甘くなかった。
というかもう、苦いのなんの。
商品知識が圧倒的に足りない。
お客様の質問にまともに答えられない。
値引き額のミスで利益を飛ばす。
確認不足のままお客様に電話して、先輩に怒られる。
納品物を積み忘れたまま外出して、Uターンするはめになる。
今思い返しても、穴があったら全力でダイブしたい。
いやもう、地面ごと消えてほしいレベル。
当時の私は、失敗するたびに心の中で自分を責め続けていました。
「なんでこんな簡単なことができないの?」
「私、向いてないのかな…」
「また怒られる…」
反省する余裕もなければ、改善策を考える余裕もない。
ただただ、自分のポンコツさに押しつぶされていく日々でした。
でも今振り返ると、先輩たちはとても優しかったんです。
「まぁ最初はみんな、そんなもんだよ。」
「そんなに気にしなくていいよ。」
そんな風に声をかけてくれていたのに。ちゃんとフォローしてくれていたのに。
でも当時の私は、その優しさすら受け取る心の余裕がなかった。
いつも、「私はダメだ」と思っていました。
■ 自分を責め続け、ついに「足が止まる」
ある朝、会社の目の前まで来たところで、突然足が動かなくなりました。
会社に入るのが怖い。
また失敗するかもしれない。
また迷惑をかけるかもしれない。
怒られたくない。
——そんな気持ちが、全身を縛るように重くのしかかって。
今思えば、それはもう「心のSOS」でした。
でも当時はただ、「情けない」「弱い」「みんなできているのに、私だけできない」と、自分をさらに追い込む材料にしてしまっていました。
やがて私は、営業として続けていくことが難しくなり、別部署へ異動することとなりました。
期間は、たった4ヶ月。
でもその4ヶ月は、私の中の「自信」と「プライド」の基盤を、ガラガラと削り取っていくには十分すぎる時間でした。
まとめ
もし当時の私が、最終面接で流されずに意思を示していたら。
もし「無理をしている」と気づいた段階で誰かに相談できていたら。
もしもっと自分に優しくできていたら。
あの4ヶ月は、違うものになっていたのかもしれません。
でも同時に、この経験が今の私の考え方を大きく変えたのも事実です。
・流されやすい自分の癖を自覚するようになった
・心の限界は「我慢すれば乗り越えられる」ものではないとわかった
・どんな職種でも「自分に合うかどうか」が本当に大事だと学んだ
・失敗や挫折は、自分を責める材料ではなく経験値になると知った
あの頃の私は、必死で、空回りしていて、そして限界まで頑張っていました。
今なら、そんな自分をやっと労われる気がします。
次回は、営業から別部署へ異動したあと、少しずつ会社に抱きはじめた違和感や、そこから退職を決意するまでの流れを書いていきます。
——次回へつづく。
